【7日間ブックカバーチャレンジ】(7日目)


⑦『枠を壊して 自分を生きる』石黒浩(三笠書房)

アンドロイド研究開発の世界的第一人者の石黒氏です。人間にそっくりなロボットを作ることによって、「差異」を見いだし、「人間」「心」「生きる」という物事へのアプローチをされています。自分そっくりなアンドロイドを作ったことでも有名ですね。自意識との差がはっきり分かると思います。
強く学生に言われているのが「自分の頭で考えよ!」ということです。
私が伝えていることは、「人間である事に誇りを持ち、生きることに真剣になって欲しい。一生考え続けられる力を失った人は人間として滅びる。」

「先輩から学び、後輩より教わる」これが私の心がけていることです。同年代で「群れる」ことを嫌います。教師は「子どもから教わり、師から学ぶ」という文字だと考えています。


【7日間ブックカバーチャレンジ】(6日目)


⑥『神道 見えないものの力』葉室賴昭(春秋社)

拙講座でも中心に据えている「見えないものの力」。私には、たまらない書名です。
葉室氏は医者でもあり、執筆時は奈良の春日大社宮司でした。

「生きること」「死ぬこと」を科学的に宗教的に哲学的に、つまり多面的に捕らえる事の出来る方のお話しは、楽しいし、学びが多いです。

人は自ら意図せず生まれ、望むことなく死ぬ。この絶対的な摂理に、どうアプローチしたら良いのか?大いなる問いです。
「見えないもの」との積極的な関わりを更に探求していきたいと思います。


【7日間ブックカバーチャレンジ】(5日目)

⑤『JANKI-RYU(雀鬼流)』桜井章一(竹書房)

2005年の大型本で対談写真集。裏の麻雀の世界で20年間無敗の桜井章一氏。呼び名が「雀鬼」。
この書籍に鍵山秀三郎師と甲野善紀氏が掲載されているのはご縁としか言い様がない。

学生時代から勉強していた、雀鬼の麻雀。小手先の技術に辟易とし、本物を探していたときに桜井章一氏の名前を知ることとなる。

妻が「あなたの最後に残るのは麻雀かも知れないわね。そして麻雀があなたを助けてくれるかもね。」と謎の言葉をいただいている。果たして・・・

「心温かきは万能なり」は桜井章一氏の箴言です。この碑と鍵山秀三郞師と写った写真を毎日見て過ごすことになろうとは、20歳の私には予想だにできないことでした。
人生は不思議で、楽しい!


【7日間ブックカバーチャレンジ】(4日目)


④『こころの処方箋』河合隼雄(新潮文庫)

この書籍は何度か購入し、当時心の病気になった生徒たちに配ったものです。今も学級文庫に入れてあると思います。探したけど手元にありませんでした、写真は違う書籍ですが、私の宝『河合隼雄 永久保存版』です。

日本の心理学者といえば河合隼雄先生。ユング研究所で研究され、日本の風土、日本人の気質に合った処方を研究されました。京都大学数学科出身で数学の教師をされていらっしゃったところも共感できることが多いのです。

日本の昔話や神話(古事記など)を子ども達と読むことで情緒の安定を促すという書籍も多く出されていらっしゃいます。
精神科を受診する人数が増えているという今に必要な一冊だと思います。

最近は河合隼雄先生をご存じない教師がいらっしゃることは、かなりの悲劇だとも思います。


【7日間ブックカバーチャレンジ】(3日目)

 

③『数学する身体』森田真生(新潮社)

 

2015年10月待望の初版が発刊されました。後に小林秀雄賞を最年少で受賞されるこの一冊。3年後に早くも文庫化。

ずいぶん昔のような気もします。それくらい森田真生氏の活躍がまるで「雨後の竹の子」のように速いのでしょう。

 

写真は発売日に生徒と記念撮影したものです。生徒はこの写真により敏腕編集者足立真穂さんより「エアハグ権」をゲットしました(^^)

 

コンピュータの基礎を研究したアランチューリングと森田氏の人生の転機となった数学者岡潔。通奏低音をこの書籍が繋いでくれました。

心地よく流れる情緒が「活き活きと生きる生命」の風景を醸し出してくれました。

 

山口県のホテルの一室で書かれた文章もあり、私にとって忘れられない一冊です。


【7日間ブックカバーチャレンジ】(2日目)

②『下流志向』内田樹(講談社)


写真は文庫版(講談社文庫)です。最初買ったソフトカバーの書籍は数学教員になった教え子にプレゼントしました。


12年前通勤途中のラジオで偶々聞いた「武田鉄矢の今朝の三枚おろし」で、この『下流志向』を紹介していたので、その日に即買いしました。副題が~学ばないこどもたち 働かない若者たち~。私の問いにハマルものでした。

当時抱えていた問いとして、子ども達が総じて変化した?でした。努力する方向に違和感を感じていたのです。”ものを知らない”ということが「恥ずかしくない」。いやむしろ「自分より知らない人を作り出す」。「あいつの方がもっとバカですよ!」。と言うことで、何かが解決しているように考える人が一気に増えてきたような気がしていました。(今や○○が威張る時代になりましたが・・・)

テレビでもおバカキャラを人気者にする風潮もあり、何が起きているのか?という私の中の「違和感」を整理してくれた一冊です。

この書籍の内容を共有してくれる人を探していましたが・・・唯一ご存じだったのがその年東京からいらっしゃった松井孝志先生でした。内田樹先生のブログを紹介してくださったのも松井先生でした。(近辺でいまだにご存じない方が多いのも不思議ですが・・・)

教員や教育を「非難」する方は世の中に多いですが、内田先生はきちんと「批判」し応援してくださる数少ない識者です。当時の若い教員としては鍵山秀三郞師と共に支えでした。
そして、安田登さん、森田真生さんとご縁が拡がっていきます・・・転機の一冊です。


【7日間ブックカバーチャレンジ】(1日目)

  

①『さらば国分寺書店のオババ』椎名誠(情報センター出版局)

 

1981年中学生だった私が、当時のNHKFMラジオで伊武雅刀さん達がラジオドラマで放送されていた書籍です。小遣いもなく、身近に書店もない町で、どうしても欲しくなった書籍です。

親にねだると「次の試験で1位になったら買ってあげる」と褒美で買ってもらいました。しかも友人のお姉さんに、宇部の末広書店(懐しい)にまで買いに行ってもらいました。この経験から、子どもに勉強を取引に使ってはいけないなーとの原体験をしました。

 

 

当時は本の雑誌社編集長の椎名誠氏、エッセイとしてはデビュー作になるこの書籍。後に『気分はダボダボソース』『かつおぶしの時代なのだ』のエッセイ三部作。有名な映画にもなった『岳物語』にてブレイクされました。